【カナダ・イエローナイフで夏のオーロラの撮り方】夏でもオーロラが見える理由とは?現地で実際に見たカメラマンの記録
カナダ北部、ノースウエスト準州の町「イエローナイフ」。
この町で私は2024年の夏から冬にかけて、オーロラツアー会社のカメラマンとして活動していました。
オーロラが見える町として知られるイエローナイフですが、意外と知られていないのが、
「夏でもオーロラは見える」という事実です。
この記事では、実際の観測・撮影体験をもとに、夏のオーロラの美しさと仕組みを丁寧に紹介します。
🔭 オーロラが見えるのは“冬だけ”ではない
イエローナイフに滞在してわかったこと。それは、オーロラは一年中発生しているということ。
オーロラは太陽からやってくる粒子(太陽風)が地球の大気とぶつかって光る自然現象で、
季節に関係なく、宇宙天気次第でいつでも起こります。
ではなぜ“冬しか見られない”と思われているのか?
それは、空が暗くならないとオーロラは見えないからです。
☀️ 春〜初夏は「白夜」の時期
イエローナイフでは5月〜7月中旬ごろまで、空がほとんど暗くなりません。
日没は深夜近く、空全体が薄明るいままで終わる日もあります。
つまりこの時期は、オーロラが空に現れていても、目にもカメラにも見えないのです。
そのため、私が本格的にオーロラ撮影を始めたのは8月中旬以降。夜の長さが戻り、ようやく「見えるオーロラ」のシーズンが再開します。
🌌 夏の夜に現れるオーロラ
夏のオーロラは、決して“控えめ”ではありません。
私が撮影した8〜10月のオーロラは、アクティブに揺れ動くものも多く、緑や赤がくっきり見えることもありました。
タイミングによっては、冬と変わらないレベルの強いオーロラ爆発(ブレイクアップ)が発生することも。

しかも、夏は湖面がまだ凍っておらず、風も穏やかな日が多いため、
水面に映るオーロラのリフレクションが非常に美しいのが特徴です。

🧭 夏にもオーロラが見える理由(メカニズム)
オーロラの仕組みを簡単に説明すると:
- 太陽から飛んできた荷電粒子(太陽風)が
- 地球の磁場に沿って極地に引き寄せられ
- 高度80〜300kmあたりの大気中の原子と衝突し
- 酸素や窒素がエネルギーを受けて光を放つ
つまり、オーロラは常に起きていて、“見えるかどうか”は空の暗さ次第ということです。
🕓 夏〜秋の観測可能時間
| 月 | 日没時間 | オーロラ観測が可能な時間帯 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 22:30ごろ | 23:30〜2:30ごろ |
| 8月下旬 | 21:30ごろ | 22:30〜3:00ごろ |
| 9月中旬 | 20:00ごろ | 21:00〜4:00ごろ(冬並みに暗い) |
👕 夏のオーロラ服装と過ごしやすさ
日中は20℃近くまで気温が上がる日もありますが、夜は5℃前後まで冷えます。
薄手のダウンやフリースジャケットがちょうどよく、私は赤いジャケットにジーンズという軽装で撮影していました。
📸 カメラマンから見た“夏のオーロラ撮影の利点”
- 湖面へのリフレクションが美しい
- 機材が凍らず、バッテリー持ちも良好
- 指がかじかまず、撮影しやすい
- 夜空と森、キャンプ光との組み合わせが楽しい
- 観光客が少なく、静かなロケーションが多い
❄️ 冬との比較表
| 比較項目 | 夏(8〜9月) | 冬(12〜3月) |
|---|---|---|
| 気温 | 5〜15℃(夜は5℃前後) | -10〜-35℃ |
| 必要な服装 | 薄手の防寒着+長袖 | 完全防寒(スノーウェアなど) |
| 撮影しやすさ | 快適、軽装でOK | 寒さで操作しづらい |
| 空の色味 | やや青みが残る夜空 | 真っ黒な空に映える |
| 混雑度 | 少なめ(オフシーズン) | ピーク(旧正月など) |
🏕 夏のイエローナイフならではの魅力
- オーロラやハイキングなど、両方楽しめる
- 白夜明けの夕日とオーロラが両方見られる
- 航空券やホテルが比較的安い

🎒 夏のオーロラ体験、おすすめしたい人
- 寒さが苦手な方
- 写真や映像に集中したい方
- 静かな自然を楽しみたい方
- 夏休み中の学生・家族旅行を検討中の方
✍️ まとめ:季節ではなく「空の暗さ」がカギ
私は2024年、夏から冬にかけてイエローナイフでオーロラを追い続けました。
その中で感じたのは、「オーロラは空さえ暗ければ、いつでも美しく現れる」ということ。
夏のイエローナイフには、冬とは違う魅力があります。
快適さと静けさの中で、空に浮かぶ緑の光を、ぜひ体験してみてください。